『U149』櫻井桃華のここを見ろ!
『アイドルマスター シンデレラガールズ U149』が『サイコミ』で大好評連載中だ。
単行本第1巻も発売し、ますますその勢いを増している『U149』。
『シンデレラガールズ(以下モバマス)』に基づいた緻密にして正確なアイドル描写はまさに「信頼」の一言に尽き、登場アイドルのプロデューサーからの評価も一様に高い。
そんな『U149』には我らが櫻井桃華も登場し、個人回はまだ来ない(第20話現在)ものの、脇を固める形で活躍している。特に橘ありす回(第4-6話、単行本第1巻収録)の桃華のカッコよさは必見である。
さて、桃華役の声優・照井春佳さんも「桃華がモバゲーさんの桃華だな、って思ったんです」「最初に出会った桃華がここにいる」(サイコミTV #01より)と評す『U149』版桃華だが、実は今までに描かれたどんな桃華とも異なる特徴をいくつか持っている。
以下で紹介するそれらのポイントを意識しておくことで、いずれ来るであろう桃華の個人回の感動がひとしおになる(かもしれない)ので、『U149』を読んでいる方、そしてこれから読もうという方は是非ともチェックしていただきたい。
1.「ちゃま」呼びがない!
なんと、プロデューサーを「ちゃま」と呼ばない!!
『U149』17話より
『U149』19話より 直接話してもやっぱり「ちゃま」無し
読者の皆様はご存知であろうが、櫻井桃華といえば、「○○ちゃま」というプロデューサーへの二人称が印象的なアイドルである。プロデューサーやファンの間では「桃華ちゃま」「ちゃま」という愛称もあるほどだ。
しかし『U149』では、単行本1巻限定版付属のCDドラマも含め、第19話現在まで*1、桃華からプロデューサーへの二人称はすべて「プロデューサー」で通されているのである。
実は『モバマス』でも、初期Nの親愛度MAX前の台詞や、ぷちデレラの育成序盤から見られる台詞では、桃華は「プロデューサー」という呼び方をする。
「ごきげんよう、プロデューサー。きびきびとした返事ができるのは良いことですわ」
『モバマス』ぷちデレラ櫻井桃華 ぷちコメント
「櫻井の娘だと思って遠慮するのはお止めなさい。プロデューサーに卑屈は似合いませんわ」
『モバマス』ぷちデレラ櫻井桃華 ぷちコメント
しかし、『モバマス』では少々お仕事するだけで親愛度がアップし、すぐに「○○ちゃま」と呼んでくれてしまう。
そんなごく短いはずの桃華の「プロデューサー」期が、『U149』では第19話に至ってもなお続いているというのは、前代未聞の事態と言っても過言ではないのだ。
桃華の個人回では、「プロデューサー」呼びが「ちゃま」呼びに切り替わる、その瞬間がクローズアップされるのかもしれない。注目していきたい。
2.アイドルになったきっかけが不明
「櫻井桃華ですわ。アナタ…わたくしを見る目つきが普通の人のソレと違ってよ。…ウフ。いったいナニを考えていらしたの?教えて下さる?ふぅん、わたくしをアイドルに…。それは面白そうですわね!」
『モバマス』櫻井桃華(N)プロフィールコメント
以前の記事でも述べたように、『モバマス』『デレステ』の桃華はプロデューサーの視線を感じ取り、プロデューサーに興味を持ち、その場でスカウトされるという形でアイドルになる。
いわば、「プロデューサーをきっかけにアイドルになった」形だ。
しかし、『U149』の桃華は、プロデューサーと初めて出会うより前に、もう既にアイドル候補生として第三芸能課に所属している。
『U149』第0話より どんなプロデューサーが来るかを想像する桃華
少なくとも、『U149』の桃華は「プロデューサーをきっかけにアイドルになった」わけではないのは確かである。
別の誰かにスカウトされたのか。あるいは自らオーディションを受けたのか。どのような理由でアイドルの道を選んだのか。
『U149』の桃華のそういったバックストーリーは、第20話現在一切不明なのである。
これも個人回で明かされるのだろうか。やはり目が離せないポイントである。
3.プロデューサーへの親愛度/信頼度が低め
前二項にも通じるところだが、『モバマス』『デレステ』の桃華は、プロデューサーに全幅の信頼を置いている、プロデューサーのことが大好きなアイドルである。
○○ちゃま、わたくしのお家は気に入りました?部屋はたくさんあるから住んだっていいんですわよ?
『モバマス』[薔薇色お姫様]櫻井桃華 親愛度MAX演出
またこの結婚式場にプライベートで来たいですわ。
その時は桃華の隣には…○○ちゃま、もちろんエスコートしてくださる?
『モバマス』[薔薇色花嫁]櫻井桃華 親愛度MAX演出
家に住んでもいいと言ってきたり、ウェディングドレス姿で思わせぶりな(と言うには直接的すぎる)ことを言ってきたり、やりたい放題である。
しかし、『U149』の桃華は違う。
『U149』第2話より プロデューサーへの不信感を表明する桃華。やはり「ちゃま」無し
『U149』第6話より 浮かれるプロデューサーを諌める桃華
決して『U149』のプロデューサーを悪く思っていたり、敬意を欠いているわけではないようだが、やはり『モバマス』や『デレステ』で見られるプロデューサーへの信頼しきった・愛情に溢れた態度とはかけ離れた、どこかドライな接し方をしている。
「ちゃま」呼びがないことを含め、『U149』のプロデューサーに対して、桃華はいわば「一般の大人への対応」をしているようである。
ここからやがて桃華が家に住んでもいいとアプローチしたり、プロデューサーとの結婚を示唆したりするようになる――そんな大転換が起きるのだろうか?
それとも、『U149』のプロデューサーとは一定の距離感を保ったまま、物語は続くのだろうか?
『U149』から、そして櫻井桃華から、ますます目が離せない。
*1:第20話に桃華からプロデューサーへの呼び掛けはない