櫻井桃華の裏設定①
櫻井桃華には「視線に敏感」という裏設定がある。
長ったらしいのが嫌いな人は上の一行だけでも覚えてから帰ってください。頼む!!
そもそも櫻井桃華の「視線への敏感さ」について、裏設定という言葉を使うのは正確ではない。(目を惹くタイトルを付けたかったので……ごめん……)
『モバマス』を始めとした様々な公式媒体で描かれる櫻井桃華の発言や行動には、「実はわたくし視線に敏感ですの!」みたいな直接的な表現はなくとも、この設定を示唆する要素がたくさん散りばめられているからだ。
本記事ではそれを踏まえて、公式における櫻井桃華の台詞や描写をいくつか取り上げながら、彼女の「視線への敏感さ」を証明していきたいと思う。
「櫻井桃華ですわ。アナタ…わたくしを見る目つきが普通の人のソレと違ってよ。…ウフ。いったいナニを考えていらしたの?教えて下さる?ふぅん、わたくしをアイドルに…。それは面白そうですわね!」
『モバマス』櫻井桃華(N)プロフィールコメント
以上が、『モバマス』における櫻井桃華(N)のプロフィールコメントである。
桃華はプロデューサーがスカウトするより先に、プロデューサーの「目つき」に興味を示して声をかけてきている。
初期カードのプロフィールコメントにおいて、「プロデューサーがスカウトするより先に、アイドルの側がプロデューサーに興味を示す」というパターンの台詞を言うアイドルは、実はけっこう珍しい。
桃華の他には以下のような例がある。
「あ、キョーミ深い実験材料を発見♪ふふ〜ん、そこのキミキミ♪ツンツン♪キミ、なんかイイ匂いがするね!ふぅーん、プロデューサーってのやってるの?おもしろそーだね!あたしにも教えて教えて〜♪」
『モバマス』一ノ瀬志希(N)プロフィールコメント
「まゆ、○○さんにプロデュースしてもらうために来たんですよ。うふ…ステキですよね…これって運命? ねぇ、貴方も運命…感じますよね?ねぇ?うふ…まゆの事、可愛がってくれますか?」
『モバマス』佐久間まゆ(R)プロフィールコメント
一ノ瀬志希なら「ニオイ」がプロデューサーに興味を示した理由だし、佐久間まゆならばプロデューサーに感じた「運命(=一目惚れ)」が理由になるだろう。
プロデューサー諸賢は知っての通り、「ニオイ」も「運命(=一目惚れ)」も、それぞれ志希とまゆの個性の根幹と言っていいほどの重要な要素である。
ならば、桃華が言う「目つき」も、桃華のキャラクター性に深く関わる要素なのではないだろうか?
その仮説に立って、桃華の他の台詞をいくつか見てみよう。
「○○ちゃまがわたくしを見る目…とってもゾクゾクしましたわ。このままトップアイドルになって、視線を釘づけにしますわ!」
『モバマス』櫻井桃華(N)親愛度MAX
「いつも見ていて下さる」「わたくしだけを見て」「○○ちゃまがわたくしを見る目」「視線を釘づけに」……。
初期Nの特訓前だけを取っても、やはり桃華は明らかにプロデューサーから向けられる「目」に何らかのこだわりがあるように思われる。
ここで仮説をもう一歩進めてみよう。桃華はそもそもプロデューサーのものに限らず「目つき」、すなわち「他者から向けられる視線」に敏感なのではないだろうか。
「会場の視線を、一人占めですの! 完璧なレディーを、お見せしますわ」
『モバマス』4thアニバーサリーアイプロ 桃華をプロデュース お仕事時
『アイドルマスター シンデレラガールズ U149』第5話より 橘ありすの視線から対抗心を感じ取ってしまう桃華
※『デレステ』のボイスはGo_8yoの書き起こしによります。以下同様
これらの描写からは、プロデューサーだけではなく、ファンや他のアイドルの視線も意識し、かつ敏感に感じ取っていることがわかる。
やはり、桃華は「他者から向けられる視線」そのものに敏感なのである。
さて。以上で引用した描写からは桃華が「視線への敏感さ」を持っていることは分かっても、それがキャラクター性に深く関わっているとは言い切れないかもしれない。それこそ"裏設定"程度のものに過ぎないと思われる方もいるだろう。
だが、アイドルとしての櫻井桃華はこの「視線への敏感さ」ゆえに成り立っていると言っても過言ではない。
ここで「よそ見」をしていたのは桃華ではなく、プロデューサーが何らかの理由で桃華から目を逸らしてしまったという意味だと思われる。
プロデューサーが「よそ見」していると、桃華は力を発揮できないのだ。
「どんな仕事でもレッスンでも受けますわ。プロデューサーちゃまがわたくしを見つめていれば」
『モバマス』ぷちデレラ櫻井桃華 ぷちコメント
逆に言えば、桃華にとって、他者(中でもプロデューサー)から向けられる「視線」は、アイドル活動の「原動力」なのである。
先に引用した台詞(『デレステ』LIVEクリアAランクなど)を見れば、それが同時にアイドル活動の「報酬」でもあるということは想像に難くない(桃華は視線を集めることに快感を覚えている節があるように思う)。
他者から、特にプロデューサーから「見られている」かどうか、そしてどのように「見られている」かが、アイドル・櫻井桃華にとっての重要な課題なのである。
櫻井桃華に「視線への敏感さ」があること、それがキャラクター性、アイドル性の根幹に関わっていることについて、十分に根拠を示すことができたと思う。
桃華がプロデューサーに興味を示すにあたって、その「目つき」に注目した理由は、この「視線への敏感さ」ゆえだと考えてもいいだろう。
この「視線への敏感さ」を意識して様々な媒体の桃華を見ていると、彼女の何気ない一言や振る舞いが、一転して深い意味合いを持つものに見えてくることが少なくない。この記事を読み終えた皆さまは、是非とも試してみてほしい。
次の記事では、この「視線への敏感さ」を、桃華がどのようにして身につけたのかについて考察していきたい。
「いついかなる時だって 目を離してはいけません」
『ラヴィアンローズ』より
こちらの記事に続きます。